プランは平日(月曜から金曜)の4泊5日で、1万9800円、2万4800円、2万9800円(いずれも税抜き)の3パターン。平日はホテルや旅館の稼働が少なくなるため、お得な料金を実現した。施設によっては、オプションで滞在期間を延長できる。

 たまにしか行けない旅行であれば、宿や食事のプラン、周辺施設を吟味するのも旅の楽しみの一つ。だが、ホテルワークの場合は事情が異なる。時間をかけずに行き先をサクッと決めたいという人が多いため、シンプルなプラン設定にしている。

 利用者は自分の裁量で働きやすい40~50代の役員・部長クラスが多いという。なかにはどこにいるか告げずに「隠れワーケーション」をする人も。やはり部下や同僚から「遊んでいると思われるんじゃないか」という不安が見え隠れする。

 長引くコロナ禍で観光需要が激減したことも背景にあり、観光庁はワーケーション推進のための予算を計上している。これだけワーケーションが花盛りの時代になっても、結局のところ、いちばん分厚い壁は「周囲の目」というのはなんともやるせない。

 ただし、社内制度でワーケーションの補助制度を取り入れる会社も増えつつある。日本企業の働き方も、ちょっとずつ変わってきている。(編集部・高橋有紀)

AERA 2021年10月4日号より抜粋

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