作家、ユーチューバーなどとしている瓜田純士(facebookより)
作家、ユーチューバーなどとしている瓜田純士(facebookより)
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 マイナスイメージがつくと、それを払拭するのは難しい。顔面に刺青が入っている強面では見ず知らずの人が驚いてしまうのも無理はない。

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 この男もかつてはそうだった。作家、ユーチューバーなどで活躍している瓜田純士だ。

「瓜田は10代のころから都内で有名な不良でした。暴力団員になり、覚せい剤取締法違反で逮捕されたこともあります。刺青だらけの顔面で放つ雰囲気は異様でした。目つきも鋭く何をするか分からない感じだった。でも、文才は当時からありました。著書を出版し、ブログも当時綴っていましたが言葉の使い方にセンスがあり、人とは違った角度で物事や人を分析していた。感受性が鋭いんでしょうね。外見で人を判断しては良くないと思わされました」(雑誌編集者)

 刑務所で服役していた時に執筆する喜びに目覚め、作家に転身、自伝のデビュー作「ドブネズミのバラード」、翌09年に「ピラニア ~雨の街、俺たちの絆~」(いずれも太田出版)を発表して高評価を得るようになる。

「アウトローのカリスマ」の異名を持つ男は08年に、総合格闘技大会・THE OUTSIDERにも参戦。期待値は高かったが、通算成績1勝5敗と苦戦した。ネット上では「弱すぎる。よく出られたな」、「ケンカと格闘技は違うんだよ。甘く見るな」など批判の声が殺到する事態に。

 瓜田はここからはい上がった。16年3月にYouTubeチャンネルを立ち上げると、街を練り歩き犯罪の匂いを嗅ぎつけ、未然に防ぐことを目的にした「プロファイリング企画」が人気を呼んだ。街を歩き回るが何も事件が起こらずに終わるのが大半だが、漫才のようなカメラマンとの掛け合いとシュールな笑いが人気を呼ぶ。瓜田が視聴者の悩みに助言を送る「ゴッドカウンセラー」企画も好評で視聴者数が徐々に増えていく。そして、40歳で格闘技を再開する。自身の弱さを認め、禁酒するなどプライベートから生活を見直した。トップファイタ―の朝倉未来、弟の海とYouTubeでコラボして絆を深めるなど、格闘家に助言を受けてキックボクシングに真摯に取り組む姿が男性の視聴者を中心に大きな反響を呼んだ。

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格闘技に真面目に取り組み、結果を出す