武田真治 [撮影/写真部・高野楓菜、ヘアメイク/杉村理恵子、スタイリング/伊藤伸哉]
武田真治 [撮影/写真部・高野楓菜、ヘアメイク/杉村理恵子、スタイリング/伊藤伸哉]
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 ミュージカル「オリバー!」で、「スリの元締」役を演じる武田真治さん。俳優として、サックス奏者として、そして筋トレの伝道師として、年々活躍の場を広げています。作家の林真理子さんが、筋トレや今後の仕事についてうかがいました。

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武田真治、妻に愚痴らず「笑い話」に変換 「どう話せばおもしろくなるかな」】より続く

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林:今、武田さんに何回目かのブレークが来ていますよね。

武田:「再ブレーク」と言われてますので、ありがたいなと思ってます。

林:2、3年前の「紅白」でも、サックス吹いて腕立て伏せもしちゃって、すごくおかしかった。

武田:「紅白」に出られるということで舞い上がって、何の疑問もなく参加させていただいたんですが、まさか天童よしみさんが歌われている横で腕立て伏せするとは……。あんなハプニングみたいな映像って、なかなかないですよね(笑)。

林:「紅白」はその年に話題になったものが詰め込まれますから、「筋肉体操」はピッタリでした。

武田:何が自分の人生を切り開くチャンスになるかわからないですね。「オリバー!」は、「レ・ミゼラブル」や「オペラ座の怪人」をプロデュースしたサー・キャメロン・マッキントッシュさんが最終オーディションの映像を見て合格をくださったのですが、「筋肉体操」がなければ、そのオーディションのチャンスさえなかったかもしれないと思っています。「筋肉体操」で注目していただいて、今回のチャンスが回ってきたのかなと思って。

林:筋肉は裏切らない……。

武田:そうですね。長期的な努力ができる人間だという証しにはなるのかな、と思います。

林:耳が痛いです(笑)。鍛え始めたきっかけは、何かあるんですか。

武田:じつは僕、20代のころに体調を崩してしまって、そのときには周りから人も離れていって、いろいろ失うものがあって……。

林:えっ、そうだったんですか。

武田:はい。精神的に弱い部分があるので、死んでしまいたいぐらいの気持ちになってしまったんですが、そのときに自分としっかり向き合って「いままで本当の努力ってしてきたのか? 一度、とことん自分を追い込んでみよう」と思って鍛え始めたんです。

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