非びらん性胃食道逆流症では、少量の胃酸が逆流している場合もあるが、半数程度はそのほかのさまざまな要因で症状が起きる。例えば、食道の知覚が非常に鋭敏になったり食道の運動が軽く障害されたりすることで症状を感じることもある。また機能性胸焼けといい、検査で異常がなくても胸焼けを感じる場合もある。
「服薬しても効果が見られない非びらん性胃食道逆流症は、診断が難しい場合が多いのです。患者さんの中には、いろいろと悩んで医療機関を複数巡る人もいます。そのようなときには、胃食道逆流症を専門に診る消化器内科がある病院で必要な検査をおこない、きちんと診断をつけてもらうことが大事です。診断がつくことで心が落ち着き、症状が軽減するケースも見られます」(春日井医師)
内視鏡以外の検査には、胃酸の逆流度や量を判定する24時間食道内pHモニタリング検査や、食道運動障害などの有無を診断する食道内圧検査などがあり、専門の施設で受けることができる。
(梶葉子)
※週刊朝日 2021年10月22日号