リーグ3連覇の可能性が消滅した巨人。巨人・山口寿一オーナーが10月23日、原辰徳監督に続投要請を行い、内諾を得たと明かした。原監督は今季が3年契約の最後の年だった。
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巨人は東京ドームでのヤクルトとの本拠地最終戦に快勝して3位となり、クライマックスシリーズ(CS)進出を自力で決めた。
来期も指揮をとることになり、通算16年目の長期政権となる。今季は勝負所の9月から大失速した。優勝争いから脱落し、最大貯金15を使い果たして借金生活に。スポーツ紙記者は「なかなかどん底から抜け出せなかった。責任を誰よりも感じているのが原監督だと思います」と心中を察する。
原監督は02~03年、06~15年、19~21年と足掛け15年間監督を務めている。リーグ優勝9度、日本一3度と輝かしい成績を残しているが、2次政権最終年の15年はリーグ優勝したヤクルトに対して1.5ゲーム差で2位と届かず、退任を決意した。東京・大手町の読売新聞社内で記者会見を開いた際、「ここ3年ほどチーム力が低下し、成績が落ちてきた。このへんが潮時で、新陳代謝が必要。新しいリーダーにチームを託すほうが正しい選択だと考えた」と退任の理由を述べている。
「2次政権は原監督の長期政権だったのですが、12年は日本一に輝き、13、14年もリーグ優勝を飾っている。15年はリーグ4連覇を逃しましたが、まだまだ続けると思っていたので驚きでした。原監督は常にチームの未来を考えている。自分が引き際と感じたら潔く決断する。今回の9月からの大失速は指導者人生でも経験したことにない試練だったと思います。この状況で監督を続けるのがベストの決断か、引くべきか。試合に集中していると思いますが、一方で様々なことに思いを張り巡らしていると思います」(前出のスポーツ紙記者)
ただ、V逸した原監督に対して同情的な見方が多いのも事実だ。今季はエース・菅野智之が度重なる故障で4度の戦線離脱、丸佳浩が打撃不振でファーム降格と想定外の出来事に見舞われた。さらに、新外国人たちもシーズン途中に次々と日本を去った。