「第二のマオ」の呼び声高い島田麻央 (c)朝日新聞社
「第二のマオ」の呼び声高い島田麻央 (c)朝日新聞社

「スケートをもっともっと頑張るために(京都に)来たので、『毎日練習を一生懸命やらないと』と思っています」(島田)

 宮原知子や紀平を指導した濱田美栄コーチに師事し、優秀な仲間と恵まれた環境で自分を磨く日々が、島田の快進撃につながっている。

 昨季の全日本ジュニアで2位に入ったのも、木下アカデミー所属のスケーターだった。現在16歳の吉田陽菜はトリプルアクセルを武器にしており、シニアを含めても日本屈指といえる安定感を誇る。昨季の全日本ジュニアでもトリプルアクセルを決めており、「先生に『思っていたようなアクセルが跳べていた』と言われたので、その時はすごく嬉しかった」と喜びを語っている。しかし、続けて「その後に『トリプルアクセルを2本入れられるように練習しなきゃ』と言われた」とも口にしており、濱田コーチが常に上を目指すよう導いていることがうかがわれた。

 そしてその言葉通り、今年10月の近畿選手権・ジュニアに出場した吉田は、2本のトリプルアクセルを成功させている。しかも1本目は後ろに3回転トウループをつけて決めており、これは世界的にも跳ぶ選手が少ないコンビネーションジャンプだ。また快活な印象を与えるきびきびした滑りも、吉田の魅力になっている。

 昨季の全日本ジュニアで、吉田は「ノービスの選手は安定感もあるしすごく上手なので、負けたくはないですが、応援もしている。年齢は違うかもしれないですけれども、お互いいい刺激になって、頑張っていけたら」と語っている。北京五輪シーズンである今季、あえてジュニアに残る選択をした吉田は、次の大舞台を見据えているのではないだろうか。

 切磋琢磨して成長し続ける少女たちが、2026年のイタリアで、日本代表としてロシア勢に真っ向勝負を挑むかもしれない。(文・沢田聡子)


●沢田聡子/1972年、埼玉県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、出版社に勤めながら、97年にライターとして活動を始める。2004年からフリー。シンクロナイズドスイミング、アイスホッケー、フィギュアスケート、ヨガ等を取材して雑誌やウェブに寄稿している。「SATOKO’s arena」

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