日本女子フィギュアの期待の星・島田麻央 (c)朝日新聞社
日本女子フィギュアの期待の星・島田麻央 (c)朝日新聞社
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 現在フィギュアスケートの女子シングルでは、圧倒的な強さをみせるロシア勢が世界を牽引している。だが高難度ジャンプに挑む日本の少女たちには、近い将来ロシア勢に対抗し得る存在となる可能性がある。

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 10月30日に13歳の誕生日を迎える島田麻央は、今季のフリーで、チェスの天才少女を描くドラマ「The Queen’s Gambit」の曲を使っている。スピード感あふれるダイナミックな旋律は、並外れたジャンプの才能を持つ島田にぴったりだ。

 10月10日、近畿選手権・ノービスA(6月30日時点で11~12歳のクラス)女子に出場した島田は4回転トウループに挑み、1.90の加点がつく出来栄えで決めている。今年3月の京都府選手権に続き、2回目となる成功だった。過去に4回転を成功させた日本女子は安藤美姫と紀平梨花の二人だが、安藤と紀平は4回転サルコウを跳んでおり、4回転トウループを跳んだ日本女子は島田が初めてということになる。また10月23日に行われた全日本ノービス選手権でも4回転トウループを着氷させており、もう習得済みだと言っていいだろう。

 島田は昨季、全日本ノービス選手権でトリプルアクセルにも挑んでおり(回転不足で転倒)、歴代最高得点を出して優勝している。さらに全日本ジュニア選手権でも3位に入り表彰台に乗ったが、これはノービスの女子としては2000年に安藤美姫が3位に入って以来20年ぶりとなる快挙だった。

 ジャンプを降りた後も姿勢を美しく保ち、すべての要素を丁寧に行う島田の演技には、真面目な性格がにじみ出ている。島田は2022年北京五輪には既定の年齢に満たず出場できないが、2026年ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪での活躍が期待される。

 島田が素質を開花させたのは、昨年2月に東京から京都に転居してからだ。東京に父を残し、母と妹と一緒に京都に引っ越してきたのは、木下アカデミーで練習するためだった。

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台頭する木下アカデミーのスケーター