主人は店ではしゃべり担当で、店でも家でもまったく変わらず、同じようにマイペース。私が「自分でなんでもきっちりやらないと!」と気張りすぎるところを止めてくれているのかな、と思います。

夫 出口智教[44]2due オーナー、ウェア担当

でぐち・としたか◆1977年、兵庫県宝塚市生まれ。大阪産業大学卒業後、アルバイトを経て、28歳でアパレルメーカーに入社。2020年8月に宝塚市の逆瀬川沿いにカフェ&ウェア「2due」をオープン

 洋服屋で店員が話しかけてくると「買わされる」って思いません? 実際、店員にも「売らなきゃ」があるから、そこに人間関係は生まれない。でも僕はお客さんと「人」としてお付き合いがしたかった。だから自分の店を持ちたかったんです。好きな服についておしゃべりして、探しものがあったら調べてあげる。お客さんが着なくなった服を買い取れるように古物商の資格も取りました。でも「服一本だと不安だな」と思っていたところに彼女が現れてくれたんです。異業種だからこそ一緒にやれていると思います。

 だから僕はカフェにはまったくノータッチ。ときどきトレイにコーヒーをのせて危なっかしく運んでいくので、お客さんに「お兄ちゃん、えらい年いってるけどバイトなん?」って言われます(笑)。

 コロナ禍でのオープンになったけど近所で「一番悪いときにスタートするんだから、あとはいいことばっかりよ」と励まされて勇気が出ました。あんまりがんばりすぎないほうがいいですね。ははは。

(構成・中村千晶)

AERA 2021年11月1日号

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