過小評価も過大評価も、正確に自分を把握していないがゆえに起こることです。就職活動でつらくなっている学生さんを見かけますが、自己分析の名のもとに、自分を責めるのはやめましょう。
(3)誰も「ひとり」では生きられない
ビジネスの世界では、誰もひとりでは成功できません。すべての成果は助け合いのシステムのなかで生まれています。ひとりで行っているように見える仕事も、自分の立ち位置から一歩ひいて全体像を見れば、たくさんの人が有機的にかかわりあっていることに気づくでしょう。
仕事で、あるいは人生で成功をおさめるには、数多くの協力者の力が必要です。それはあなたの会社の上司や同僚、部下かもしれませんし、顧客かもしれません。パートナーや友人、子どもたちの手を借りることもあるでしょう。他者の協力を得られれば、発揮できる能力は何倍にもなります。
(4)私の常識とあなたの常識は違う
「私とあなたは違う人物。これまで生きてきた道のりも、考え方や価値観も、生まれ持った気質も」―─この考えに異論を唱える人はいないはずです。
しかし、頭ではわかっていても、人は無意識に「自分にとっての“あたりまえ”が、世の中の“あたりまえ”」だと考えがちです。でも、「あたりまえ」や「常識」なんて実はどこにもないのです。
チームを統括するようになってから、僕は「常識」という言葉を使うのをやめました。常識とは、自分の才能の組み合わせでつくられるものです。「自分が“あたりまえ”に行っている(でも、他の人にとっては必ずしもあたりまえではない)こと」「一般常識だと感じている“ものさし”に気づくこと」が、自身の才能のタネを発見するコツです。
(5)ありのままでいる勇気を持つ
才能のタネを見つける上で大切なのは次の3つです。
・正直になること
・本心を明かすこと
・ありのままでいる勇気を持つこと
自己認識、つまり本当の自分を把握する過程では、さまざまな思いが交錯するものです。ときには耳の痛い話を聞かなければならないかもしれません。見たくない真実に、向き合わなければならないかもしれません。
自己認識を妨げる恐怖や虚栄心、自分の心に正直になれない障害物にぶちあたったときは、自分を知りたいと思った「目的」に立ちかえってください。自己認識がどれだけあなたの人生を助けてくれるかという「効用」を思い出してください。