「『研究用』とパッケージに書いてあるキットを使って陰性だったのに、医療機関で調べたら陽性だったという苦情が、9月末までに80件ほど報告されています」(消費者庁)
「研究用」とは、薬機法の承認を得ていない雑品で、性能が確認されていない。厚労省と消費者庁は、こう注意を呼びかけている。
「未承認かどうかの見分け方として、国で承認した抗原検査キットには『体外診断用医薬品』と記載されています。現状、購入時に薬剤師から使い方の指導も受けてもらうようになっています」(消費者庁)
政府は、ワクチン接種証明書などを提示することで行動制限を緩和する「ワクチン・検査パッケージ」の導入を目指している。ワクチン非接種者における陰性証明に、抗原検査キットの結果を活用することも検討されている。
「抗原検査キットという特性を踏まえながら、ウィズコロナの日常に向けてどのような体制を講じていくかを検討している段階です」(厚労省)
これからの冬場は、風邪やインフルエンザなど、新型コロナと似た症状に悩む人が増えるだろう。さらには「第6波」の到来も懸念されている。抗原検査キットを正しく活用したい。(AERA dot.編集部・岩下明日香)