聴衆の関心を集めている(写真/上田耕司)
聴衆の関心を集めている(写真/上田耕司)

 そんな甘利氏に、記者は「ご自身の政治とカネの問題についてお聞きしたい」と、直撃すると、立ち止まり、「まったく一点の曇りもありません」と答えた。「そうですか?」とたたみかけると、甘利氏は「明確です、明確です。ちゃんとあなたは聞いていないからです。そういうあなた方の……」と声のトーンが上がって怒りをあらわに。「(5年半前の金銭授受疑惑の時に説明せず)入院してたんすよね」と質問すると、「えっ……」と言ったまま、それ以上は答えなかった。

 甘利氏とツーショット写真を撮っていた神奈川県内在住の女子大生は、こう感想を話した。

「きょうはたまたまショッピングで通りました。18歳なので、今度初めて投票に行きます。甘利さんと一緒に写真を撮れて、いい感じです。甘利さんの大学改革とか研究者を支援する姿勢がいいなと思っています」

 過去の金銭スキャンダルについても聞いてみたが、「なにかあった気はするけど、覚えていません」(女子大生)。

「政治とカネ」の問題で閣僚を辞任した過去がある甘利氏。陣営の幹部は、甘利氏が必死になって地元にはりついている理由をこう説明する。

「甘利さんは自民党幹事長なので、圧倒的な差でもって勝たないと、今後の政局運営にもいろいろと影響が出てくる。結局、『全部、幹事長が悪い』と集中砲火されるから」

 戦況はどうなのか。

「いろんなメディアで『厳しい』と書きたてられている。情勢分析も『苦戦』だとか『(太氏に)差を広げている』とかバラバラ。自民党の独自の調査では前回(12万7000票)のように楽勝とは思っておりませんけど、10万~12万票は取れる。十分な差をつけられるだろうと思っています」(陣営幹部)

 とはいえ、「政治とカネ」の問題では批判にさられることもあるようだ。

「街頭でビラ撒きしていても、有権者から怒られたり、中指を立てられたりします。本当は4年前の衆院選挙で甘利さんは当選したんですから、既に国民の審判は済んだはずなんですよ」(甘利陣営の市議)

 公明党は16日、衆院選の第3次推薦候補者として、甘利氏の推薦を決めた。「政治とカネ」の問題を抱えているため、甘利氏推薦が遅くなったとの見方もある。そういえば、前述の海老名駅前の甘利氏の街頭演説に、公明党議員の姿が見られなかった。

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