人気沸騰中の7人組グループ・BE:FIRSTを生み出した、ボーイズグループ発掘オーディション「THE FIRST」。このオーディションに私財1億円を投じたのが、主催のSKY-HIだ。BTS、BLACKPINKなど世界的な人気を得ているアーティストが続々と登場している韓国などと比べても遅れを取っている、旧態依然とした日本のエンターテインメントの在り方への危機感。そして、SKY-HIというアーティストが乗り越えてきた過去、現在、そして自分だけでなくこれからの若者のためにも切り拓きたい未来とは。
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「THE FIRST」をきっかけに結成された7人組グループ・BE:FIRSTが、大きな注目を集めている。楽曲、MVの制作のために募ったクラウドファンディングは4億円を突破。11月3日に配信されたデビュー曲「Gifted.」が各種チャートで軒並み1位を獲得するなど、新人としては異例の成功を収めている。
BE:FIRSTのプロデューサーであり、私財1億円を投じてオーディション「THE FIRST」を開催したのは、SKY-HI。ダンスボーカルグループAAA(トリプル・エー)のメンバーとしても知られる日高光啓だ。
■「消費されて終わり」にはしたくない
彼がオーディションを主宰したきっかけは、アーティストを目指す多くの若者が既存の芸能界に居場所を見つけられず、才能が埋もれている現状に危機感を覚えたこと。核になっているのは「“消費されて終わり”には絶対したくない。ここで選ばれなかったとしても、成長のきっかけにしてほしかった」というスタンスだ。
「目標は世界に通用するボーイズグループを輩出することですが、その過程においては、参加してくれた彼らを成長させることに心血を注いでいました。オーディションではありますが、“周りを蹴落としても”ではなく、音楽をもっと好きになって、技術を伸ばす場所を提供したかったので」
1カ月に及ぶ合宿審査には、SKY-HI自身も参加。10代~20代前半の参加者と寝食を共にし、楽曲制作やパフォーマンスの審査を通して、「あなたにはこういう才能がある」「ここを伸ばせば、もっと良くなると思います」と丁寧にアドバイスを送り続けた。エンターテインメントの世界を目指す若い才能と濃密な時間を過ごすなかでSKY-HIは「かつての自分を見るような気持ちになった」という。