アルバム「八面六臂」は、SKY-HIの心の移り変わりがリアルに反映された作品だ。<一人のままでもいい>(「Simply Yourlife」)と孤独を抱えていた青年が、様々な活動の中で信頼できる仲間と出会い、音楽と戯れ、心が開けて行く。
「To The First」の<怖くても進め>という歌詞から始まったストーリーが、<怖くても独りじゃないから>(「One More Day feat.REIKO」)というTHE FIRST出身者のREIKOの言葉で締め括られる、エモーショナルなストーリーが表現された作品となっている。
今後の活動について「従来の芸能システムと渡り合って、いいバランスを見つけることが課題。大変ですが、それをやらないと次の道は見えてこないので」と語るSKY-HI。過去のトラウマを乗り越え、信頼できる仲間と活躍の場所を得た彼の活動が、日本のエンタメに新たな刺激と進化を与える――、一人の音楽ファンとして、そんな光景を見てみたいと思う。
(森 朋之)
■SKY-HI(スカイ・ハイ)/2005年にAAAのメンバーとしてデビューし、ほぼ同時期からSKY-HIとして東京都内のクラブで活動をスタート。2011年にラッパーとのコラボレーション企画「FLOATIN’ LAB」を立ち上げ、翌2012年にコンピレーションアルバム「SKY-HI presents FLOATIN’ LAB」をリリース。2014年3月には1stアルバム「TRICKSTER」を発表した。2017年5月には東京・日本武道館で単独公演を開催。その後も精力的に活動を継続し、2020年9月に初のベストアルバム「SKY-HI’s THE BEST」をリリースした。2020年9月には「才能を殺さないために。」をスローガンにした自身のマネジメント/レーベル会社・BMSGを設立。2020年秋より、自身が1億円以上投資したボーイズグループ発掘オーディション「THE FIRST」を開催し、同オーディションをきっかけに生まれたBE:FIRSTのプロデュースを担当している。