パ・リーグの野手でもし退団となったら他球団が獲得に動くことが予想されるのがモヤ(オリックス)だ。来日4年目の今シーズンは打率こそ.229と低い数字に終わったものの、日本では最多となる13本塁打、47打点をマークし、チームの優勝にも貢献している。身長201cmの長身で変化球への対応力も意外と高く、低めの難しいボールを長打にできる。年齢的にも来年で31歳とまだまだ若さがあり、既に4年間プレーしてきたという実績も大きな武器と言えるだろう。シーズン途中で加入したラベロの存在もあり去就は不透明だが、今後の動向に注目したい選手の1人である。
今季プレーした外国人選手全員が退団する見通しであると報じられた西武だが、その中でまだ活躍できる余地があると感じるのがリリーフのギャレットだ。今季は61試合に登板して防御率3.77とセットアッパーとしてはかなり物足りない数字に終わったが、ストレートの最速は161キロをマークするなどスピードに関しては12球団でもトップクラスの数字を誇る。また決め球のスプリットもブレーキがあり、イニング数を上回る奪三振をマークしているのもプラス材料だ。西武は平良海馬以外安定したリリーフ投手が不在なだけに、新外国人の調査次第では残留のオファーを出すことも検討すべきだろう。
中には広島や日本ハムのように新外国人の獲得も発表されているが、今シーズンのようにコロナ禍で来日が遅れるケースが出てくる可能性もあるため、今年日本でプレーしていた外国人選手はそのようなリスクが低いとも考えられる。最も即効性のある補強は外国人選手と言えるだけに、他球団への移籍も含めてその動向に今後も注目したい。(文・西尾典文)
●プロフィール
西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員