今年の箱根駅伝の1区の先頭争い(C)朝日新聞社
今年の箱根駅伝の1区の先頭争い(C)朝日新聞社

 昨年の青山学院大は7年ぶりの無冠に終わった。だが、箱根では往路12位から復路優勝で総合4位まで追い上げ、その復路5人中4人が今年も在籍している。その中の2人が出雲でも走り、全日本では岸本大紀(3年)が3区で日本人トップの好走、近藤幸太郎(3年)は7区で駒澤大の田澤廉(3年)に食らい付き、実力の高さを再証明した。2区で区間14位、6区で区間12位のブレーキがなければ勝てたはずで、「私の采配ミス」とは原晋監督。補欠だったメンバーにも好タイムを持つメンバーがずらりと揃っており、層の厚さは駒澤大を凌ぐものがある。箱根10区間の中で走る人数が増えれば、逆転のチャンスは増えてくる。

 3番手グループの筆頭には、史上最強ランナー、イェエゴン・ヴィンセント(3年)を擁して出雲を制した東京国際大が入るだろう。全日本では3区で狙い通りにヴィンセントで先頭に立ったが、4区で区間11位、5区で区間13位。6区で日本人エースの丹所健(3年)が区間トップの走りを見せて首位に返り咲いたが、7区、8区で崩れて5位フィニッシュ。いかに強力な大砲を持っていてもブレーキ区間が複数出れば勝てないことを再認識したが、それでも大砲を持っている強みは間違いなくある。出雲と全日本の経験と課題を手に、箱根の山をうまく制することができれば、テレビ画面を長く、そして最後まで独占することは可能だ。

 その他、同じく全日本のレースを振り返り、オリンピアン・三浦龍司を擁して3位に入った順天堂大、アンカー・伊地知賢造(2年)の好走で最終的に4位に食い込んだ國學院大、5区で首位に立って見せ場を作った早稲田大が上位候補。さらに10位に終わったが本来ならば上位を狙える力を持っている東洋大も、スーパールーキー・石田洸介(1年)の存在とともに、箱根では優勝争いに加わることのできる可能性を持っている。だが、現段階で箱根のダークホース的存在としては明治大を指名したい。

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古豪・明治の復活は?