好きな方法で好きな色に髪を変え、その変化を楽しむ。そうすることで、外見だけでなく内面の若々しさもキープできるのだろう。
「たとえば、色合いの強い髪色にした場合、派手な化粧やユニークな眼鏡、ファッションをマッチさせると、より『魅せられる』と思います。逆に地味な格好に金髪だったりするとちょっとマッチしません。自分の顔立ちや肌の色、髪質なども考えて、トータルで髪色を決めるのも良いと思います」(前出の前田さん)
一方、染めない自分を「見せた」人もいる。
アナウンサーの近藤サトさん(54)は40代で白髪染めをやめ、白髪の姿を公開した。「グレイヘア」と表現し、多くのメディアでも取り上げられた。前出のリクルート調査で、「グレイヘアがすてきだと思う芸能人」の女性1位に近藤サトさんが挙げられている。ちなみに、2位は草笛光子さん(89)、3位は中尾ミエさん(76)。
中尾ミエさんが3人のグレイヘア仲間とともに立ち上げたのが、チャリティー団体「チーム ソルトン セサミ(胡麻塩頭の会)」だ。
「女性の大切な髪を自然のままに、白髪染めをしない女性」という生き方をグレイヘアの4人が見せている。
女優の手塚理美さん(61)も、かつては黒髪サラサラのロングヘアがトレードマークだったが、今はベリーショートのグレイヘア。
これまで手塚さんの白髪染めをしていたヘッドスパ「CASPA」(東京都目黒区)のヘアケアリスト小原望美さんはこう話す。
「ちょうど短くカットされたタイミングでのグレイヘアへの変身。優雅な手塚さんの魅力が出ています。髪の色も髪形も、自分の生き方を見せる大切なツールなんです。誰からどう見られるか、よりも、自分がどうなりたいか、どう見せたいのか。大切なことは身なりをキレイにしておくことです。髪のお手入れもしっかりされている方は美しい。『超高齢社会』で、そんな強さと美しさを持った女性が増えていくことは素晴らしいですよね」
白髪があるからといって後ろ向きになることはない。手入れをして、見せ方次第でいくらでも美しさは保てるようだ。(本誌・大崎百紀)
※週刊朝日 2022年11月18日号