東京五輪・パラリンピックが閉幕してからずいぶんと月日が経ったが、大会運営で使用されたクルマをめぐっては、今もアツい戦いが繰り広げられているのをご存じだろうか。
「東京2020大会運営車両」としてトヨタ自動車が提供(貸与)した大量のクルマが役目を終えた後、中古車市場で人気を博しているのだ。
トヨタ自動車は国際オリンピック委員会(IOC)と契約した「ワールドワイドオリンピックパートナー」として、大会運営車両約2700台(パラリンピックでは約1700台)を提供した。
トヨタの発表によると、約2700台のうち約9割がハイブリッドなどの電動車であり、水素自動車のMIRAIやプリウスPHV(プラグインハイブリッド)、ミニバンタイプのノア・ヴォクシー、同じくノア・ヴォクシーの福祉車両(ウェルキャブ)などだ。
この他、バッハ会長の送迎にも活躍した高級ミニバンのアルファードやレクサスES、ピックアップトラックのハイラックスやSUVのRAV4、ステーションワゴンのカローラ・ツーリングなどもあり、注目を集めた。
これらのクルマが、パラリンピック終了直後の9月上旬から、全国のトヨタ販売店やトヨタ中古車販売店で「認定中古車」として販売がスタートし、「入荷したらすぐ売れる」というくらいの人気となっているのだ。
人気の理由は、「オリパラで使用された」というプレミアムな価値だけが評価されているわけでもないようで、「走行距離が少ない」「安心度の高いトヨタ認定中古車」「即納できる」ことなどのようだ。
人気の理由をそれぞれもう少し詳しくご紹介しておこう。
(1)走行距離が少ない
走行距離1千キロ以下が主流で、なかには20キロ以下など新車同様のものもある。車種によっては1万キロを超えるものもあるが、それは極めてまれだ。年式は2020年と21年がほとんどで、新規登録から3カ月以内という中古車もある。