世代を超えて楽しめる(「卓球で日本を元気にする会」HPから)
世代を超えて楽しめる(「卓球で日本を元気にする会」HPから)

 現在は、落語家の三遊亭小遊三さんや、フリーアナウンサーの福澤朗さんら20人超が賛同人として名を連ねる「卓球で日本を元気にする会」の代表理事。五輪で水谷隼選手が決勝で戦う前にはLINEで直接、アドバイスを送ったという。

 児玉さんは卓球を通して五つの力が鍛えられると話す。

「思いがけない球が来たときに対応できる『対応力』に『平常心』『判断力』『決断力』『実行力』です。ラリーが続くともっともっとうまくなりたいという意欲が出ます。その気持ちの変化もまた良いのです。生涯スポーツである卓球を通して、心身健康で明るく前向きに人生を送れるといいですね」

 卓球の効果は医療現場でも注目されている。

「卓球の動きが日々のリハビリにつながる」と語るのは、千葉県の稲毛病院整形外科・リハビリテーション科医師の佐藤務さん。

 家の中の動きを考えてみよう。たとえばトイレ。「歩く→振り返る→座面を視認する→かがんで座る→立ち上がる→戻る」。これは球拾いの動作「歩く→ボールの位置を視認→深くかがむ→拾う→立ち上がる→振り返る→戻る」と類似する、と佐藤さんは言う。

 調理の場面も同様だ。

「キッチンのシンク台は卓球台に、ラケットの重さは包丁の重さに近いのです」

 卓球で動く範囲は畳約6畳分だ。広い場所が必要な屋外競技と違って、活動するスペースも日常生活にマッチしている。

「つまり、卓球をすることで日常生活に必要な運動機能を自然と鍛えることができます。高齢になるほど転倒の心配が多くなりますが、卓球は目の前に手をつける卓球台がある。これは安心感につながると思います。転倒が怖くて運動をしないと骨密度はさらに低くなり悪循環。卓球は骨への負荷がかかり、下半身の筋トレにも有効ですし、骨粗鬆症の予防にもなります。卓球で重心のバランスがとれるようになると転びにくい体に近づきます」(佐藤さん)

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