「プライベートの神秘性も深津さんの人気が衰えない要因の一つでしょう。芸能界でも彼女のファンは多く、俳優の佐藤健さんやお笑い芸人・ロンブーの淳さんなどが公言しています。また、俳優のムロツヨシさんも彼女の大ファンなのですが、19歳のときに『生で深津さんが見られる』と彼女の出演舞台を観劇し、『あっち側に行きたい!』と次の日から大学に行かなくなったほど影響を与えた人物。深津さんへの愛が強すぎて、チャンスはあったもののいまだに直接あいさつはできていないそうです」(映画ライター)

■私は趣味もなくつまらない人間

 映画監督たちからの信頼も厚い。三谷幸喜監督は彼女の完璧な演技ぶりを“鉄の女”と称したことがあるが、映画「ステキな金縛り」(2011年)でメガホンを取った際も「(深津さんは)本当に勘のいい人だし、表現力も豊かだし、頭もいいし、僕が1言ったら10返してくれる」(「映画.com」2011年10月25日)とべた褒めしている。また、映画「岸辺の旅」(2015年)を手掛けた黒沢清監督は「何があっても揺らがない超人」と絶賛。映画「サバイバルファミリー」の矢口史靖監督も、食べなくてもよかったネコ缶を食べたり、これから大変なことをやるとわかっていても「来るなら来い」という感じでどっしり武士のように無言で座っていたりしていたと、彼女の女優魂をたたえていた。

「深津さんは男性だけでなく、女性人気も高い。とくに同年代で彼女に憧れを抱く女性は多く、50代女性に向けて発売されたムック『LEE DAYS』では創刊号、第2号と2号連続で表紙を飾っています。映画『悪人』(2010年)の舞台あいさつで『自分は〇〇人か?』という質問があったのですが、深津さんは『凡人』と答えていたのが印象的でした。自分は『本当に役によって生かされている』と。『本当は趣味がないくらいにつまらない人間なんです』とコメントされていたのですが、そういった謙虚な姿勢にも好感を持つファンは多いと思います」(同)

 ドラマウオッチャーの中村裕一氏は、そんな深津の魅力についてこう分析する。

「ドラマ好きにとってはやはり『踊る大捜査線』シリーズ、『最高の片想い』『きらきらひかる』『彼女たちの時代』『恋ノチカラ』など、90年代後半から2000年代初めのドラマの記憶が強いでしょう。まさにその時代を代表する女優のひとりです。清潔感あふれる表情、凛としたまなざしとショートカットが非常に印象的で、そのみずみずしい演技と共に、恋や仕事に悩みながらも真摯に向き合うという、ドラマにおけるヒロインのモデルの一つを作り上げたと言っても過言ではありません。シリアスでもコメディーでも自在にこなし、そのナチュラルなたたずまいは、いつまでも色あせない魅力があります」

 朝から深津の演技を見られることは、多くの人の楽しみや活力になるだろう。最年長ヒロインがどんな芝居を見せてくれるのか、期待せずにはいられない。(高梨歩)

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