日本NICU家族会機構に参加する全国各地の家族会から提供された写真で作った世界早産児デーのポスター(日本NICU家族会機構提供)
日本NICU家族会機構に参加する全国各地の家族会から提供された写真で作った世界早産児デーのポスター(日本NICU家族会機構提供)

■痛々しい姿に罪悪感

 細い腕や足にたくさんの管がつながれたわが子の痛々しい姿に申し訳なさが募る。母としてできるのは母乳を届けることだけだと義務感を抱いて3時間おきに搾乳し、病院へ届けた。心身が追い詰められ、母乳も止まった。産後うつになり、娘と同じ病院に入院した時期もあった。

「医療面は病院へ相談できても、発達の不安や生活面の悩みの相談先がなくて孤独でした」

 退院後もサイズが合う洋服がなく、抱っこひもやベビーカーも取り扱い説明書の月齢が参考にならない。仕事を再び始めようとしても、投薬やケアが必要だと預け先がほとんどなかった。

 人口動態調査によると、2019年に生まれた赤ちゃんのうち、2500グラム未満で生まれた「低出生体重児」は9.4%の8万1462人。約10人に1人の計算となる。その中で1500グラム未満の「極低出生体重児」は0.7%、1千グラム未満の「超低出生体重児」は0.3%の割合だ。

 通常、赤ちゃんは妊娠40週前後で生まれる。早産などで小さく生まれた赤ちゃんは器官が未熟なため、脳出血や未熟児網膜症、壊死性腸炎といった合併症などのリスクもある。NICUのある病院に転院するなどして、生後すぐから治療を受ける。(編集部・深澤友紀)

AERA 2021年11月22日号

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