AERAの連載「午後3時のしいたけ.相談室」では、話題の占い師であり作家のしいたけ.さんが読者からの相談に回答。しいたけ.さんの独特な語り口でアドバイスをお届けします。
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Q:一回り年上の男性と結婚することになりました。年の差のため、悩みましたが、何より大好きなので、決めました。今後、年の近い幸せそうな夫婦を見たりして、自分の決意がゆらぐ時がありそうで怖いです。私はまわりに影響され、絶望的に考えてしまう人間です。どうすれば「自分はこれでいい」と思えるようになりますか?(女性/公務員/32歳/おとめ座)
A:最近読んですごく印象深かった本に、心理学者・河合隼雄さんの『「出会い」の不思議』という本があります。その中で日本とアメリカの競争文化の違いみたいなことが書かれていました。アメリカもすごく競争社会ではあるけど、どこかしら空気がからっとしてる、というようなこと。
これは読んで改めて僕が思ったことですが、日本の競争文化にはどこか、落ちこぼれないために競争している面がありますよね。自分の好きなことをやるために競争するわけじゃない。これだけいい成績を取ったら人生で落ちこぼれることはないだろう、って頑張る。だから競争についていけなくなった時にからっとできないし、一生競争し続けなければいけない。20代まで「落ちこぼれちゃいけない」と頑張ってきた人は、30代になっても40代になってもその年代から落ちこぼれないように頑張り続けてしまう。隣の芝が青く見えてしまうのは、まだ「落ちこぼれない競争」の渦中だからですよね。
でも、人生ってどこかで「やっと好きに生活できる!」という宣言をすべきだと思うんです。落ちこぼれないために頑張る時間も必要かもしれないけど、ある程度やって「ここまででいいや」と思ったら、「これから先は自分の好きに生活する」と宣言すべき。独立記念日みたいな感じで。20代後半とか30歳は、その宣言のチャンスだと思います。