杉山奈津子(すぎやま・なつこ) 1982年、静岡県生まれ。東京大学薬学部卒業後、うつによりしばらく実家で休養。厚生労働省管轄医療財団勤務を経て、現在、講演・執筆など医療の啓発活動に努める。1児の母。著書に『偏差値29から東大に合格した私の超独学勉強法』『偏差値29でも東大に合格できた! 「捨てる」記憶術』など。静岡市で少人数制塾「杉山塾」(http://fancynancy.jp/sugiyamajuku/)を運営中。ツイッターのアカウントは@suginat
杉山奈津子(すぎやま・なつこ) 1982年、静岡県生まれ。東京大学薬学部卒業後、うつによりしばらく実家で休養。厚生労働省管轄医療財団勤務を経て、現在、講演・執筆など医療の啓発活動に努める。1児の母。著書に『偏差値29から東大に合格した私の超独学勉強法』『偏差値29でも東大に合格できた! 「捨てる」記憶術』など。静岡市で少人数制塾「杉山塾」(http://fancynancy.jp/sugiyamajuku/)を運営中。ツイッターのアカウントは@suginat

 ただ、子どもの通う学校が「勉強しよう」という空気がないのであれば、ほかに環境を探すのも手です。塾や予備校のような、「勉強している人しかいない」、つまり「勉強せざるをえない」場所に行かせるのも、一つの方法だと思います。

「習い事はお金がかかるので難しい」という人もいるでしょう。そういう人は、子どもを連れて図書館などに行くのをおすすめします。

 図書館のような、まわりの人すべてが集中して本を読んだり、勉強しているという環境にいれば、おのずと勉強に集中する子どもが多いものです。

 なんにせよ、家の中で一人、「さあ勉強しよう」と思わせ、自分だけの強い意志でそれを継続させていくのは、なかなか難しいことかと思います。

■「まだ5時間しか勉強してない」の衝撃

 さらに環境によって、「難しいことを簡単にする」なんてこともできます。

 私の中で、とても印象に残っている出来事なのですが……東京大学3年の頃、友人たち何人かで、一緒にファミレスでテスト勉強をしました。その際、友人の1人が時計を見ながら、「まだ5時間しかしてないのか」とつぶやいたのです。

 私にとって、「5時間も」勉強するのは相当大変なことだったので、「まだ5時間」の言葉には衝撃を受けました。

 しかも、周囲の友人たちがその「まだ5時間」という言葉に同意し始めたので、本当にビックリしました。

 ほかにも、私が所属していた学部には、「勉強会」と称し、朝早くから教授と600ページもある英語の生物の教科書を読み、討論している人たちがいました。

 私は、朝は眠くて起きるのさえ嫌だと感じていたし、その生物の教科書は分厚すぎて日本語でも読みたくないと思っていたため、彼らにはひたすら感心するばかりでした。

「自分の周囲にいる5人の中の平均が自分だ」という言葉を聞いたことがあります。

 周囲に「5時間の勉強なんて普通」という人がたくさんいたら、なんとなく自分も長時間の勉強ができるように思えてきませんか。

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