反対に、まわりに勉強しない人が多ければ、短時間の勉強でさえひどく難しいことに思えるでしょう。

 このように、絶対基準で考えて一般的には「大変だ」と思われることを、相対的に「なんだかできそう」と思わせられるのも、環境の力です。

■自分がいる場所しだいで、考え方や行動も変わる

 また、自分がいる場所により、「価値観」や「考え方」「行動」も違ってきます。

 毎年、東大に大勢の生徒が合格することで有名な開成高校では、在学中に起業をする生徒が何人かいるそうです。

 私が通っていた高校では、そんな空気はまるでなく、学生と仕事を結びつけるなんて発想自体がそもそも皆無でした。

 ただ、もしそこで一人でも起業する人がいたら、自分もそういうことに興味を持ったかもしれません。

 つまり、環境により人生がまったく異なるものになっていく可能性も、大いにあるわけです。

 こうしたことを考えると、朱に交われば赤くなるというのは、いい意味でも悪い意味でも核心をついた言葉なのだと思います。

 環境とは、人生で何かがんばりたいことがあるときに、うまく活用すべき手段の一つと言えるかもしれません。

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杉山奈津子

杉山奈津子

杉山奈津子(すぎやま・なつこ) 1982年、静岡県生まれ。東京大学薬学部卒業後、うつによりしばらく実家で休養。厚生労働省管轄医療財団勤務を経て、現在、講演・執筆など医療の啓発活動に努める。1児の母。著書に『偏差値29から東大に合格した私の超独学勉強法』『偏差値29でも東大に合格できた! 「捨てる」記憶術』『「うつ」と上手につきあう本 少しずつ、ゆっくりと元気になるヒント』など。ツイッターのアカウントは@suginat

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