「私が片づけられないから、中学生の息子も片づけができない。友だちと家で遊びたい年頃ですが、とても呼べるような家ではありませんでした。これはダメだ、親が教えてあげないと!……と思って。」
片づけを始めると、家の中から大量のストック品を発見。小麦粉や乾麺など食料品は消費期限が切れている物が多数あり、在庫があることに気づかずに買ってきてはため込むという癖がわかりました。物の場所を把握できているつもりだったのに、結局はできていなかったということ。物が多すぎて管理できなくなっているので、まずは家の中の物を徹底的に減らしました。
1回悩んで手元に残した鍋やフライパンが、2回目に見たときには不要に思えて手放す。そんなことをくり返しながら、家の中がどんどんスッキリしていきます。大量に物が減っていったので、息子が「どうしたの? 引っ越すの?」と不安になって尋ねるほどでした。
でも、シングルマザーでバリバリ働くひとみさんは、「45日間で片づける」というスケジュールにあせる日々だったと言います。
「仕事も忙しかったので、立てたプラン通りに進まずに終わらないタスクが残ることも多かった。『どうしよう』と途方に暮れると、仲間が励ましやアドバイスをくれる。本当にありがたかったです」
プロジェクトには同じく片づけで悩む仲間が参加しているので、不安やあせりを共感してもらいながら乗り切りました。
奮闘している母の姿を見て、息子にも変化が訪れます。今まで学校から帰ってきたら置きっぱなしだったカバンを定位置に置いてくれるようになり、脱いだままだった制服はきちんとハンガーにかけるように。親戚からもらった勉強机などを使っていたので、今後は自分が選んだ物をそろえて居心地のよい自分の部屋を作ろうと、一緒に計画をしています。
そして、1番の変化は、会話が増えたこと。
「私がカバンの置き場所を決めたら、『こういう理由があるから、ここだと入れづらい』と話してくれました。そんなフィードバックがくるとは思わなかったのでびっくりしちゃって! 片づけを通してお互いに考えていることを話すようになったら、他のことでもよく話すようになりました」