僕が感動したのは、その仕事の速さだけでなく、僕とA君にめちゃくちゃ優しいのです。

 まず僕たちの安全を確保。「そこは危険なので、そのガードの中に入ってください」と、何もわからない僕たちに優しく指示してくれる。そして、その作業がどのくらいかかるかをちゃんと教えてくれる。これを言ってくれることでその先の予定がたてやすい。時間を伝えてくれるってこんなに安心するのだと勉強になる。

 それだけじゃなく、「寒い中、お時間取らせてすいません」と言うのです。いや、迷惑かけてるのはこっちですよ。寒い中作業してもらってるのはこっちなんですよ。なのに、何度も「お時間かかってすいません」とか「大丈夫ですか?」と気遣ってくれる。

 優しい。優しすぎるだろ。惚れてまうやろーーー。ですよ。

 そのプロフェッショナル魂に涙が出そうになる。

 たまに車から見えるこういう光景。こういう人たちがいるから僕たちは心地よく生きられる。こういう日本のプロフェッショナルに感謝しよう。

 ちなみに、予定より一時間ちょっと遅れてついた鎌倉の店「KOYAMA」。鳥の素揚げを食べて、この日に起きたすべてのマイナスが超プラスになるほどの激うま。

 苦労してたどり着けた方がその感謝は大きい。

 あらためてJAFさん、ありがとうございます。

鈴木おさむ(すずき・おさむ)/放送作家。1972年生まれ。19歳で放送作家デビュー。映画・ドラマの脚本、エッセイや小説の執筆、ラジオパーソナリティー、舞台の作・演出など多岐にわたり活躍。パパ目線の育児記録「ママにはなれないパパ」(マガジンハウス)が好評発売中。毎週金曜更新のバブル期入社の50代の部長の悲哀を描く16コマ漫画「ティラノ部長」と毎週水曜更新のラブホラー漫画「お化けと風鈴」の原作を担当し、自身のインスタグラムで公開中。コミック「ティラノ部長」(マガジンマウス)は10/4に発売になった。「お化けと風鈴」はLINE漫画でも連載スタート。YOASOBI「ハルカ」の原作「月王子」を書籍化したイラスト小説「ハルカと月の王子様」が好評発売中。長編小説『僕の種がない』(幻冬舎)が発売中。

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