「森友問題」で自死した赤木俊夫さんの公務災害に関する文書が一転開示された。
だが、そこに「改ざん」の記載はなく、改ざんの理由などはわからないままだ。
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ようやく開示された文書には、自死した財務省近畿財務局職員の赤木俊夫さん(当時54)が、「公務災害」に認定された理由が記されていた。公務災害とは公務員の労災に当たるものだ。
「最初に見たとき、クリアになっているなというのが第一印象でした」
妻の雅子さん(50)は語る。
2018年3月7日。俊夫さんは、学校法人「森友学園」(大阪市)への国有地売却を巡る財務省の公文書改ざんに関与させられたことを苦に、自宅で自ら命を絶った。同年4月、雅子さんは公務上災害の認定請求を行い、19年2月に俊夫さんは公務災害だと認定された。
■何を隠したかったのか
公務災害なら、具体的にどのような理由でそうなったのか。
理由を知りたい雅子さんは同年9月、人事院に情報開示請求を行った。だが同年12月、人事院が出した文書はほとんど全てが黒塗りされた「のり弁」状態。具体的な理由を説明せずに大半を不開示とした。不服とした雅子さんが審査請求すると、総務省の情報公開・個人情報保護審査会は今年9月、不開示決定を「違法で取り消すべきだ」と答申。答申に法的拘束力はないが人事院は一転して、10月29日付で不開示決定を取り消した。
開示は11月8日付。雅子さんは、書留で受け取った。
開示文書は全70ページ。1ページ目には「機密性2情報(関係者限り)」とある。数カ所を除き、黒塗りはなかった。
開示内容によれば、俊夫さんは17年2月に国有地払い下げ問題が報道されたことを機に、「上級官庁との連絡調整」「国会からの資料要求対応業務」などの業務に追われ、同年7月にうつ病と診断された。発症前の半年間は、1カ月当たり平均約100時間の時間外勤務をしていたことなどを挙げ、業務による強い負荷で「精神疾患の発症と公務に相当因果関係が認められる」と判断し、公務災害と認定していた。
しかし、と雅子さんは言う。