新刊『脱サラパーソナリティ、テレビを飛び出す~佐久間宣行のオールナイトニッポン0(ZERO) 2021-2022~』(扶桑社)が発売となった佐久間宣行氏。ラジオファンにはラジオパーソナリティとしてアツい人気を誇る佐久間氏だが、サラリーマンから独立し、「鎌倉殿の13人」のトークスペシャル番組で初MCを務めるなど、ビジネスパーソンとしての仕事の顔も、今、大きな注目を集めている。本連載では、佐久間氏が自らの仕事術を綴ったビジネス書『佐久間宣行のずるい仕事術』から氏が提唱する仕事術の一部をお届けするが、今回は特別に本書から、佐久間氏と長年、仕事をしているおぎやはぎさんのインタビューを公開する。
「この人に任せれば平気」と思える
―――佐久間さんとの出会いは、芸人さんのオーディションだったそうですね。
矢作兼さん(以下、矢作):ですね。ただ、佐久間さんがその話を何度かしてくれたから知ってるだけで……。
小木博明さん(以下、小木):おれたちは覚えてない(笑)。
矢作:最初にご一緒した番組は「大人のコンソメ」だったんですけど、企画が斬新すぎて、手応えがあるのかないのかわからないまま収録が終わっちゃって。
小木:現場も盛り上がってないし、「こんなんで大丈夫かな?」ってすげえ不安だったよね。
矢作:でも放送を観たらすっごくおもしろくなってたの。「編集の力ってこれか!」って最初に思わせてくれたのは佐久間さんだね。
小木:うん。この人に任せれば平気だって思った。
矢作:現場ではスベってるのにおもしろくしてくれるんだからすごいよ(笑)。それまでは笑いって全部自分たちの責任だと思ってたんだけど、芸人以外の力の大きさをはじめて知った瞬間だったかなあ。
気分がフラット
―――佐久間さんは、仕事の現場ではどんな方でしょう?
矢作:偉そうにしてるのは見たことないですよ。
小木:おれたちの前の佐久間さんが真実かはわからないけど、悪い評判もホント聞かないね。どういう人にも敵がいて、そういう話はだいたい入ってくるもんだけど。
矢作:うん、全然聞かない。いつも同じテンションだしね。佐久間さんがテレビに出てるのを観ても、「よそゆきだな」とも思わない。
小木:そうそう。フラットだよね。
矢作:まあ、ラジオで手応えを感じたのか、ちょっとしゃべりに自信を持ち始めたなと。
小木:それはある。最近、やたら楽屋でエピソードトークしてくるしね。
一つの「チーム」になれる
―――(笑)。おぎやはぎさんと佐久間さんは、どんな関係を育んでこられましたか?
小木:とにかく芸人が好きでしょ、あの人。愛情深くて怖いくらいですけど(笑)、それが伝わってくるのはうれしいですね。「なんとか小木を生かそう」って、おれのことをおれより考えてくれてるし。
矢作:佐久間さんに会うまでは「小木をどう活かすか」っておれが考えてたけど、この人に小木を任せようと思ったもん。
小木:あと、すっごい考えてくれるよね。現場で。
矢作:そうそう。カメラの前でぼくらが一生懸命、「次の展開はどうしよう」って考えるでしょ。そのカメラの向こう側で、同じレベルで考えてるのが佐久間さんなんです。
小木:おれらと同じ顔してますよ。並んで立ってないだけで、一つのチーム、一つのグループって感じがする。