安心して攻められる

―――演者さんの立場で考える。

矢作:たとえば、芸人が現場でなにか思いついて、演出プランや台本からはみ出ようとしたとき、ふつうは元のレールに戻そうとするのがディレクターなんだけど……。

小木:佐久間さんはそうしないから安心して転がせる。なんなら、自分がつくった台本を自分で無視しますからね。

矢作:こっちのほうがおもしろそうと思ったらそっちに持っていこうとするよね。演出家にはあんまりいないタイプですよ。

常にアップデートしている

―――つくり手としての佐久間さんへの深い信頼を感じます。

矢作:真面目だしね。めちゃめちゃ働いてるのに、浴びてる情報量がすごい。いつ寝てんだっていつも思います。

小木:舞台とか映画にもすごい行ってるし。

矢作:ドラマ観て音楽も聴いて。はやってるものは全部吸収してるんじゃない? あの人がえらいのは、30代の知識で40代を乗り越えようとするんじゃなくて、常にアップデートしようとするところ。誇張じゃなくて毎日更新してる。ああ見えて感覚派じゃない。

べたべたしない

―――ちなみに佐久間さんは芸人さんとあまり飲みにいかないそうですが、ホントですか?

矢作:そうね、年に1~2回かな? 基本的にぼくらの周りは、芸人もつくり手も一定の距離感は保ってて。リスペクトしてるし好きなんだけど、べたべたしない。いわゆる東京スタイル? マンション型人間関係ね。距離を保ったほうが悪いところが見えないし。

小木:そうそう。いい距離感、大事なのよ。

―――テレビ東京から独立された佐久間さんの今後の活躍も楽しみですね。

小木:表に出る人間として、もう少し格好にこだわってほしいけどね。まあ、汚らしいところが天才っぽいんだけど、スタイリストつけたら鬼才に見えるよ。ドンッと上にいくと思う。

矢作:才能って言っていいのかな。アイデアを考えつく人だし、それを突き詰めて形にする力もある人だからさ。まだまだ大きい山を当てそうな感じはするねえ。

(『佐久間宣行のずるい仕事術』より)
※本にはこの他にもインタビューや、具体的な仕事術が多く掲載されています。

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