昨年12月、寒波の襲来で佐賀県ではスタッドレスタイヤの一部が品薄に
昨年12月、寒波の襲来で佐賀県ではスタッドレスタイヤの一部が品薄に

 日本へ寒気が流れ込みやすくなる別の要因が「北極振動」。北極域の気圧が平年より高い(負の北極振動)と、日本などの中緯度帯では平年より気圧が低くなり、北極からの寒気が流れ込みやすく、低温傾向になるという。「ラニーニャと重なれば大雪になる可能性がある」(白石さん)

 さらに、白石さんはほかの要因も指摘する。日付変更線付近で高気圧が形成されやすく、今年は平年に比べ高気圧の勢力が強くなっている。このあたりに「ブロッキング高気圧」が形成されると、「シベリアから日本へ寒気が流れやすく、継続しやすい」(同)。

 ラニーニャ現象は来年2月くらいまで続く可能性があるという。ラニーニャに加えて、負の北極振動やブロッキング高気圧の影響が重なり、日本へ寒気が流れ込み、寒い日が続き、大雪になる地域が出てくる可能性があるという。

「西回りで寒気が流れ込むと、日本海側で大雪への備えが必要になり、平野部にも大雪をもたらす可能性がある。特に西日本や日本海側は注意が必要」(同)

 この冬に強い寒気が襲来した場合、電力需給は大丈夫なのだろうか。ガスコンロはIHクッキングヒーターへ、灯油ストーブはエアコン暖房へと、生活まわりでは電化が進んでいる。電力需要が瞬間的に最大となるのは、暑い夏場でエアコンを使用する時間帯が多かったが、北海道電力エリアでは冬場に最大となっており、東北電力エリアでも冬場に変わってきている。

 電力事業者が会員となり、需給計画をとりまとめ、電力の広域的な運用を調整するのが電力広域的運営推進機関。この冬の電力供給の予備率は、機関のとりまとめで、東京電力エリアが来年1月に3.2%、2月に3.1%のほか、2月は中部電力、北陸電力、関西電力、中国電力、四国電力、九州電力の各エリアとも3.9%となっている。かなり厳しい見通しだ。

◆米テキサス州で今年2月大停電

 この計画の策定を機関で担当している星野和巳さんは「過去10年で一番厳しい寒さを想定している。これ以上厳しい寒さになることはあまりないだろう」と話す。

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