AERA12月6日号の表紙を飾った花江夏樹さん
AERA12月6日号の表紙を飾った花江夏樹さん

演じたキャラは親友

――プレッシャーを感じることはあるのだろうか。

 確かに、新人の頃は一生懸命やることだけ考えていましたが、「後輩にどう見られているんだろう?」「大したことないと思われたくない」とか、いろいろなことを考えるようにはなりました。でも、それよりも、自分自身が成長したいという気持ちが強いですね。

 同時に、自分が本当にやりたいこと、楽しいと思っているものをやろうという気持ちにもなっていて、趣味としてYouTubeを始めたのもそこからです。YouTubeでよくやっているゲームはストレス解消にもなり、仕事とは別の素っぽい一面を観ていただけて、一石二鳥な感じです(笑)。

――「鬼滅の刃」は記録的なヒットとなり、主人公の竈門炭治郎を演じた。注目される機会がさらに増えた。

 他の作品と同じように一生懸命演じたんですが、これまでアニメを観ていなかった方や幅広い層の方に観ていただいた作品なので、「炭治郎をやりました」というと、みんな知っていてくれるのはうれしいですね。

 炭治郎の気持ちが強くて諦めないところには憧れますし、僕自身にも負けず嫌いの部分はあると思います。

 声優として、どんどん上に行きたいという気持ちがあって、それはずっと忘れずにいたいと思っています。それは、演じたキャラクターから感じることや、思い出させられることも多いんです。演じる時はみんな自分だと思ってやりますけど、親友みたいな感じかな。考え方や行動に尊敬する部分がたくさんあります。「これだけ彼が頑張っているんだから、自分も頑張らなくては」という気持ちに常になるんですよね。

(ライター・小松香里)

AERA 2021年12月6日号

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