写真はイメージです(Getty Images)
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 福井県立図書館が、カウンターで問い合わせのあった、うろ覚えや覚え間違いの本のタイトルを公開した「覚え違いタイトル集」。その内容は度々SNSなどで話題となり、今年10月には、『100万回死んだねこ 覚え違いタイトル集』(講談社)として書籍化された。記憶違いから、いったいどうやって目当ての本にたどり着くのか。そこには図書館司書のスゴ技があった。書籍の編集にも関わった福井県立図書館の司書井藤久美さんに話を聞いた。

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「数年前に読んだ本を探しているんですけど」

 福井県立図書館のレファレンスカウンターには1日で平均50~60件、本探しの相談が寄せられる。その多くが所蔵ついての問い合わせだが、タイトルについての記憶があいまいだったり、不正確だったりするケースも多い。覚え違いタイトル集にも取り上げられた「100万回死んだねこ」は、もちろん記憶違いの問い合わせで、正確には『100万回生きたねこ』(講談社)。

 本には秀逸な覚え間違いの数々が紹介されているが、タイトルに関することを何かしら覚えていて、ワードが一部合っている場合は、探すのにそれほど難儀しないことが多いという。

「タイトルを覚えている場合は、まず利用者の方から伝えられたタイトルをそのまま図書館内の蔵書検索端末に入れます。ただしコツは、ひらがなで入力すること、助詞を抜いて入力することです」

 多くの人が日常的に使っているGoogle検索などでは、助詞や漢字、ひらがな表記が間違っていても正しい語句が自動で予測されるが、図書館の検索システムはそうではない。ひらがな表記の部分を漢字にしてしまったり、助詞をひとつ間違ってしまったりするだけでヒットしなくなってしまうのだ。そのため、利用者から伝えられたタイトルを検索する時には、助詞を抜いて複数のキーワードとして検索をしたり、全文ひらがなで検索したりするという。

「そのほかレファレンスで気を付けているのは、読み方が複数ある漢字などは、紙に書いてもらうことですかね。別の読み方で検索してみると見つけられることもあります」

 中には、タイトルをまったく覚えていない、そのうえ著者も覚えてない、さらに出版社も覚えてないというケース、または覚えていても検索システムでヒットしないケースもある。これらの重要な手がかりなしに、どうやって本を探すのか。世の中には膨大な数の本がある。ここからが司書の腕の見せどころだ。

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まるで刑事か探偵?司書のすごい“捜索能力”