林:双子の姉妹を一人でやる大原櫻子さんって、すごいプレッシャーじゃないですか。八嶋さんと小泉今日子さんを相手にやるわけですから。
八嶋:僕自身は役柄的にそんなに大変じゃないんですけど、大原櫻子ちゃんはとっても大変だと思うので、僕はスタッフさんのように作品を支える側としてやっていきたいなと思います。
林:小泉今日子さんはどうなんですか。
八嶋:小泉さんは肝が据わった「おねえさん」なので、この作品の世界観というか、とらえ方をいちばんわかってる気がしますね。
林:これは本邦初演なんですね。楽しみ。必ず行かせていただきます。
八嶋:ぜひぜひ。
林:私、昔、アメリカの田舎を1カ月回ったことがありますが、そこでは保守的な空気を感じることがありましたね。
八嶋:そうですね。僕、NHKの「英語でしゃべらナイト」という番組に出ていて、アメリカのコロラド州の田舎に行って撮影したことがあるんです。「このダイナー(食堂)でお客さんとちょっと会話してみましょう」みたいな企画だったんですが、番組なので僕、少し大げさにやってたら、お皿を洗ってた女性が「ガシャーン!」と大きな音を立てるんです。「よそ者が騒ぐな!」ってことだったみたいで。
林:いまの話で、悪夢がよみがえってきましたよ。もう10年以上前かな、NHKの女性プロデューサーに「英語でしゃべらナイト」に出てくださいって頼まれて、私、英語はイヤだな、と思ってお断りしたんです。でもその後、「日米の恋愛について話してください」って再度お願いされたので、日本語で話すものとばっかり思ってスタジオに行ったら、いきなり英語でディスカッションが始まったんですよ。私、血の気が引きました(笑)。
八嶋:アハハハハ。ホント、そういうムチャぶりをする番組なんです。
林:あのとき、ロバート・キャンベルさんが真っ青になってる私に気づいて、ぜんぶ日本語に訳してくれたんです。だからあの方にはずっと頭が上がりません(笑)。私、あのときの放送見られてない。コワくて。