八嶋:ハハハハ。「英語でしゃべらナイト」にキャスティングされたきっかけは、アメリカで製作されたアニメの吹き替えでした。僕が担当したキャラクターは、俳優のアシュトン・カッチャーという人が声を演じていた役で。彼、当時は、デミ・ムーアの年下の夫だったんです。
林:まあ、デミ・ムーアの。
八嶋:それで、アメリカでそのアニメの試写イベントをやるということで、呼ばれて行ったんです。そのとき、僕がアシュトン・カッチャーにインタビューをすることになっていたんですが、早めに行ってずーっと待っていたのに、なかなか来ない。やっと「彼が来たから行ってください」って言われて、あわててイベント会場に出ていったら、じつはデミ・ムーアが家族で来るというウワサがあったらしくて、パパラッチがいっぱいいたんです。みんな一瞬カメラを構えたのに、僕がパッと出てきたから、「クソガキ! 出てくるんじゃねえ!」みたいな罵声を浴びちゃって(笑)。
林:ひどいじゃないですか。
八嶋:しばらくしてアシュトン・カッチャーが「ハロー」って軽い感じで来たので、僕のほうが年上だし、待たされたり罵声を浴びたりしてイライラしてたから、「ハローじゃねえだろ! まず謝るもんだろコノヤロー!」って言ったんです。
林:英語で?
八嶋:日本語で。半分冗談で、逆ギレ芸みたいな感じで言ったら、向こうも「ソーリー」みたいなことを言っていました。それをNHKの方が見ていたらしくて、「英語ができないのに、外国人に対してフルオープンで怒ってる人、見たことがない」って言われて(笑)。それで、この人が英語を覚えたらいいんじゃないかって思ったらしいんですね。
林:それはすごいことですよ。
八嶋:でも、あの番組では何度も冷や汗をかきました。ジョージ・ルーカスが「インディ・ジョーンズ」のプロデューサーとして、日本にプロモーションに来たときに、「英語でしゃべらナイト」でインタビューに行かされました。取材時間が15分あったんですが、15分って、日本語ならあっという間ですけど、英語で場を持たせるのはけっこうつらいんですよ。