ぜんそくの症状を抑えるには、治療のほか、環境整備も重要だ。ぜんそくを引き起こすアレルゲンは人によって異なるが、チリダニ、カビ、ペットの毛やフケ、花粉などがアレルゲンになる人が多い。対策としては、こまめな掃除や換気が基本となる。寝具はよく干し、防ダニシーツなどを利用するのも手だ。
「チリダニは目に見えないので、すべて除去するのは難しいでしょう。プロの清掃業者に依頼するのも一つの方法です。プロが介入している住居とそうではない住居を比べると、チリダニの量に大きな差が出るうえ、そこに住むぜんそく患者の症状の程度にも影響があったというデータもあります」(同)
ペットは、フケや唾液が問題となる。
「特に猫は注意が必要です。毛づくろいするので、唾液が乾燥して空中に浮遊しやすく、犬に比べてシャンプーをしない傾向があるので、フケも残りやすい。ペットはこまめにシャンプーをすることが大事です」(同)
新型コロナウイルスが流行してからぜんそく発作で受診する人が減少したということは、新型コロナウイルスの感染対策が、ぜんそくの症状を抑えるのにも役立ったと言える。ぜんそくの人はもちろん、そうでない人も、今冬も引き続き、マスクや手洗いなどの感染対策を徹底したい。
(文・中寺暁子)
※週刊朝日 2021年12月24日号