来日後も、練習の合間も含めて、時間の許す限り、愛妻へのラブコールを欠かさなかったペタジーニだったが、スペイン語しか話せなかったオルガさんは、日本での生活に寂しさを募らせ、同年6月2日の仙台遠征、広島戦では、試合前にベンチ裏で一人泣きじゃくる姿も見られた。

 だが、「ガッツポーズをすれば、元気が出る」と教えられ、ホームシックを克服すると、以来、本拠地・神宮での試合終了後、クラブハウス前で報道陣を見かけるたびに「皆さんも元気にしてあげる」と両手を握りしめてガッツポーズを披露するようになった。

 ペタジーニも、オルガさんが球場に来る日は本塁打量産率が上がり、同年は松井秀喜(巨人)に2本差の44本塁打で見事本塁打王を獲得した。

 現役引退後、ネットではペタジーニが「女子大生と不倫したことが原因で離婚した」という噂が流れたが、19年に夫妻揃って7月7日放映の「ジャンクSPORTS」(フジ系)に出演。今も変わらず仲睦まじい姿を見せていた。(文・久保田龍雄)

●プロフィール
久保田龍雄/1960年生まれ。東京都出身。中央大学文学部卒業後、地方紙の記者を経て独立。プロアマ問わず野球を中心に執筆活動を展開している。きめの細かいデータと史実に基づいた考察には定評がある。最新刊は電子書籍プロ野球B級ニュース事件簿2021」(野球文明叢書)。

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久保田龍雄

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久保田龍雄/1960年生まれ。東京都出身。中央大学文学部卒業後、地方紙の記者を経て独立。プロアマ問わず野球を中心に執筆活動を展開している。きめの細かいデータと史実に基づいた考察には定評がある。

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