AERA 2022年11月7日号より
AERA 2022年11月7日号より

「テレワーク下での職場からの孤立、ビジネスモデルの変化による顧客期待・経営期待からの孤立、自己存在と自己信頼からの孤立など多様な孤立が見え隠れします。こうしたミドル・シニア層の孤立は、変革が不可避な日本社会や企業にとって大きな課題です。放置すれば、培った経験や知見は孤立し、意思決定の多様性は狭まり、次世代の変革リーダー候補にも、同様の孤立の構造が継承されかねない問題をはらみます」

■「頼り合う」が第一歩

 一方で、藤井さんは「ミドル・シニア層の孤立の解消は、日本的雇用慣行からの脱却の好機」とも話す。

「この孤立を解消していくことは、安定同質的な職場関係や顧客関係、自己存在が保証されていた日本的雇用慣行からの脱却のカギと言えるでしょう。変革推進のリーダーを『存在と信頼』のネットワークから孤立させない。職場でのエンゲージメントの在り方が、『働く喜び』から問われているのではないでしょうか。信じて頼り合うのが信頼。まずはフラットに頼り合うことが、初めの一歩かもしれません」

(編集部・渡辺豪)

AERA 2022年11月7日号

▼▼▼AERA最新号はこちら▼▼▼