DeNAの三浦大輔監督
DeNAの三浦大輔監督
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 6シーズンぶりの最下位。苦しみの果てに、三浦大輔監督や選手たちは一体なにを見て、どんな考えを巡らせていたのだろうか――。

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 12月22日より、横浜DeNAベイスターズ公式ドキュメンタリー映像作品『BBB(Bay Blue Blues)2021』が全国ロードショーされる(2022年1月下旬、DVD・Blu-ray発売)。

 2012年にDeNA体制になって以来、球団はドキュメンタリー映像作品を制作してきており、これが第8作目となる。これまで発表された『ダグアウトの向こう』『FOR REAL』というタイトルを継承し、本作から『BBB』として新シリーズのスタートを切った。湾岸の情緒深い風情に加え、今シーズンから新指揮官となった三浦監督は現役時代『リーゼントブルース』という登場曲を使用していたこともあり、イメージにマッチしたタイトルだといえる。

 今季のDeNAは、開幕6連敗に加えその後10連敗。外国人選手の来日の遅れもあって出鼻をくじかれ、さらに投手陣の不振も加わり悪戦苦闘の連続だった。交流戦では12球団中3位となり復調の兆しも見せたが、多難な1年であったことは間違いない。

「たしかに最下位のチームを描くという部分で難しいものがありましたが、苦しい場面は苦しいままに、またいかにポジティブというか観客の皆さんに面白いと思ってもらえるものを作れるのか、探りながらの制作でした」

 こう語るのは本作品でメガホンをとった辻本和夫監督だ。2018年と2019年の『FOR REAL』につづき『BBB』は3度目の監督作品となる。春季キャンプがスタートし、シーズンが終了するまでの270日間、撮影に要した時間は、これまで最長の500時間以上に及んだ。果たして、どのようなコンセプトで制作に至ったのだろうか。

「結果に左右されるスポーツなので撮影前にイメージしていた通りのものとはいきませんが、あえて言うのならば、選手の感情や想い、葛藤といった“生っぽさ”を大事にしたということですね。それを念頭に選手たちの一挙手一投足をカメラに収めていきました」

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初めて描いた“最下位チーム”の現場