錦鯉の長谷川雅紀は最年長王者
錦鯉の長谷川雅紀は最年長王者

 芸人を続ければ売れるって話じゃないから、めちゃくちゃ頑張らなきゃいけないけど、でも、「50歳まではいけるんだ」っていう、その幕開けが2021年のM-1だった。テレビは、若手で番組を制作しなければと若手を探し回っているときに、50歳と43歳のコンビが大きな大会の番組で優勝しちゃうっていう(笑)。

 だから、意外と錦鯉が成し遂げたことって、希望を与えることをやったかもしれない。「40代、50代、60代……おいおい頑張ればまだいけるぞ!」という、テレビは若手の時代なんて言っちゃいけない! 「俺たち何、大人ぶってたんだ?」って、40代や50代も思い直すかもしれない。

 錦鯉のM-1 最年長優勝を一般社会に照らし合わせると、高齢者の現役時代が始まっているわけじゃないですか。昔だと、60歳がおじいちゃんの始まりでしたよね。でも今の60歳っておじいちゃんじゃないじゃない。現役でバリバリ働くっていう感じでしょ。70歳もおじいちゃんって認めていいんですか? って感じ。80歳超えたら、ようやくおじいちゃんですかねっていう感じだけど現役の方も多い。

 人生100年時代と言われるのと同じように芸人界も世相と一緒で、どんどん現役年齢が上がってきているというのはなんとなく前から思っていた。そういう世相とM-1最年長優勝というのが合致したのも不思議な巡り合わせですよね。M-1の決勝はヤラセでも何でもないガチですからね。

 実は2021年のM-1は世の中を象徴したものだったのかもしれない。「若者だ、若者だ」っていう世の中の流れみたいに言われていたけど、実は「そうじゃなかったんじゃないか?」という疑問が生まれ、芸人の世界の話だけじゃなくて、若手以外を排除していってはいけないんじゃないかということをさし示したのではないかと思った。

■カンニング竹山/1971年、福岡県生まれ。オンラインサロン「竹山報道局」は、4月1日から手作り配信局「TAKEFLIX」にリニューアル。ネットでCAMPFIRE を検索→CAMPFIREページ内でカンニング竹山を検索→カンニング竹山オンラインサロン限定番組竹山報道局から会員登録。

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