外野で圧倒的な実績を誇るのが角中だ。ロッテに入団してからしばらくは二軍暮らしが続いたものの、6年目の2012年に外野の一角に定着すると打率.312で首位打者を獲得。2016年には首位打者と最多安打の二冠にも輝き、チームを代表する選手として長く活躍している。ここ数年は若手の台頭もあって徐々に成績を落としているものの、その高い打撃技術は健在で、来年以降もまだまだ戦力として期待される。

 三輪は通算安打こそ62本ながら代走、守備要員として一軍で418試合に出場。2018年には独立リーグ出身選手として初となる国内FA権を獲得して話題にもなった。2019年限りで引退したがNPB通算12年、実働(一軍出場)10年というのは立派な数字である。

 外野手で最後に選んだ和田は高校では野球部に所属せず、クラブチームからBCリーグの富山を経てNPB入りを果たした異色の経歴を持つ。3年目の昨年支配下登録されると、主に代走としてリーグ3位の23盗塁をマーク。今年は更に出場試合数を増やすと、前年を上回る24盗塁で盗塁王にも輝いた。足ばかりがクローズアップされるが、思い切りの良いフルスイングも魅力で、打撃も年々着実にレベルアップしている。外野手のレギュラー争いは熾烈だが、来年は更にバッティングをアピールしてスタメン出場を増やしたいところだ。

 リーグを代表する選手になったのは又吉と角中の2人だけだが、山本、増田、和田などはまだまだ成績を伸ばす可能性は高い。また今回は選ばれなかったものの、投手では石井大智(四国IL高知→阪神)、戸田懐生(四国IL徳島→巨人)、野手では岸潤一郎(四国IL徳島→西武)、知野直人(BCL新潟→DeNA)、松本友(BCL福井→ヤクルト)、平間隼人(四国IL徳島→巨人)なども今後の成長が期待できる有望株だ。

 今年は新興リーグである九州アジアリーグの火の国サラマンダーズから石森大誠が中日から3位指名を受けており、ますます独立リーグは存在感を増している。来季以降も第2の又吉、角中となれる可能性を秘めた選手が続々と輩出されることを期待したい。(文・西尾典文)

●プロフィール
西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員

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