たしかに実績では2強が他を圧倒しているが、異議を唱えるのはスポーツニッポンの小田哲也記者。「万券の哲」として、穴党から絶大な人気を誇っている。小田記者はクロノジェネシスに「普通なら主役」と敬意を表しつつも、こう言う。
◆一年の終わりに好きな馬を応援
「前走はフランスの凱旋門賞に挑戦しました。その日は雨で馬場はグジャグジャ。そこで勝ちに行って激走したので、かなり消耗したんではないでしょうか。それに母の父はクロフネ。クロフネ産駒は長距離での実績がない。その血が入っていると考えると……。去年は勝ったとはいっても、最後は2着馬、3着馬にかなり追い詰められました。適距離は2000~2200メートルで、有馬記念の2500メートルは長すぎると思います。ラストランだからと期待するのはかわいそう。無事に走ってくれたら十分ですよ」
3番人気になるのは、菊花賞馬のタイトルホルダーだろう。「BSイレブン競馬中継」のMCを務める宮島咲良さんは、3歳馬に注目している。
「今年はたくさんの名馬が引退しました。そのため逆に、3歳馬に未来を見せてほしいという気持ちもあります。エフフォーリアは横山武史騎手、タイトルホルダーは横山和生騎手。騎手の兄弟対決も見ものですよね」
としつつも宮島さんは、これが引退レースとなる7歳馬のキセキから目が離せないという。
「競馬の仕事を始めて最初の菊花賞(17年)に勝ったので、思い入れが強いんです。その後の4年間で1勝もしていないけど、GIで2着に4回も入っています。もしかしたら最後の最後に“キセキ”を起こしてくれるんじゃないかと」
冒頭でも紹介したように、有馬記念はファン投票上位の馬が出走する。好きな馬を応援するのが本来の趣旨だろう。
宮島さんが続ける。
「競馬を始めたばかりの人が応援しやすいのは、かわいいメロディーレーンじゃないでしょうか。レース根性があって、気持ちの強い馬。掲示板(5着以内)もあると思いますよ」