暮れの風物詩と言われる中山競馬場(千葉県船橋市)の有馬記念。2021年の人気馬が集まるレースの予想を専門家がどう組み立てるか。ギャンブルと無縁の方も、その妙をお楽しみください。
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有馬記念といえば、年末ジャンボ宝くじ同様、一年の終わりのビッグチャンスとばかりに人々が殺到する大レース。1996年には875億円もの馬券が売れたほどだ。
今年は26日に、中山競馬場の芝2500メートルのコースで行われる。
朝日新聞スポーツ部の有吉正徳記者が、レースの成り立ちを説明する。
「有馬記念は1956年に、中山グランプリの名前で始まりました。当時の中央競馬会の有馬頼寧理事長が、プロ野球のオールスターのような競走をやりたいと考え、出走馬をファン投票で決めるという方式にしたんです。その後すぐに有馬理事長が亡くなったので、その功績をたたえて第2回から有馬記念という名前に変わりました」
有吉記者がたんまり儲(もう)けた会心の有馬記念は、
「2010年。ヴィクトワールピサとブエナビスタの2頭で決まりだと思いました。この2頭は本当に強く、最後は高みの見物でした」
有吉記者は、今年はその年の再来だという。
「エフフォーリアとクロノジェネシスの一騎打ち。他の馬では逆転は難しい。2頭にフォーカスして、馬単2点か馬連1点で勝負すればいいですよ」
エフフォーリアは勢いのある3歳牡馬で、皐月賞を圧勝。初の古馬(4歳以上)との対戦となった秋の天皇賞でも勝利し、GIを2勝している。
一方のクロノジェネシスは5歳の牝馬で、これがラストランとなる。昨年の宝塚記念、有馬記念、今年の宝塚記念で優勝。グランプリ(有馬記念と宝塚記念)4連覇の偉業を狙っている。
「パンサラッサやタイトルホルダーといった逃げたい馬がいるし、キセキも途中から先頭に立つように動くかも。出入りの激しい競馬になるかもしれませんが、2強はまったく動じないでしょう。騎手の言うことをきちんと聞くので、釣られて前に行っちゃうことはないと思います」(有吉記者)