■無鉄砲(むてっぽう)
漢文で点を用いない「無点法」が変化
由来は「無点法」とも「無手法」ともいわれています。「無点法」は漢文で訓点を用いないことです。それは読みにくいため、理解できないこと、明確でないことなどの意味があります。「無手法」は手に技を持たないことです。そこから、何の手段や方法も持たずに行動するたとえとして用いられます。理解できないことや、手段を持たずに行動することから転じて、成り行きを考えずに強引に事を行う意味になったと考えられています。当て字の「無鉄砲」によって、「怖いもの知らず」の意味が強まったともいわれています。
■首丈(くびったけ)
足元から首まで深くはまっている
足元から首までの丈を表す「首丈(くびだけ)」が変化した言葉です。足元から首までどっぷりと没入するように深くはまっている、夢中になっているという意味です。特に、異性に深く心を奪われ、すっかりほれ込んでいる場合に用いられます。
■へなちょこ
壊れやすい猪口のように未熟で取るに足らない者
「へな」は「埴(へな)」という粘土質の土で、「ちょこ」は酒器の「猪口」だといわれています。埴でつくった猪口が壊れやすいことから、未熟な者や取るに足らない者の意味になったといいます。ほかに、「変な猪口」から転じたとする説や、軟弱という意味の「へなへな」と落ち着きがないという意味の「ちょこまか」の組み合わせだとする説などもあります。