性格や見た目など、人物を評する言葉には不思議な言い回しをするものが数多くあります。しかし、その由来を調べるとどれも納得できるものばかり。言葉のうんちくを紹介します(朝日新聞出版『みんなの漢字』から)。
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■間抜け
邦楽や芝居などで間がなくリズムが悪い
ここでの「間」は、邦楽の音と音の間や、芝居のセリフとセリフの間に入る休止のことで、拍子やテンポを表します。あるべき休止が抜けていて、リズムが悪いことがもともとの意味です。転じて、考えることやすることに抜かりがあることの意味になり、さらにそのような人をののしっていうようになりました。
■風上(かざかみ)に置けない
悪臭を放つので風上に置きたくない
卑劣な人間を臭い人間として非難している言葉です。悪臭を放つものを風上に置くと風下は臭くてたまらないことから、風上に置きたくないほど臭い人間だとののしっているのだといいます。「風上にも」ということもありますが、本来は「も」は使われません。
■仏頂面(ぶっちょうづら)
仏の頭頂部に恐ろしい顔の仏が宿る!?
ここでの「仏頂」とは、「仏頂尊」の略です。仏は頭頂部に欠けたところのない完全な智慧を宿しており、その智慧を仏格化した存在が仏頂尊です。その仏頂尊の表情が恐ろしいことから、無愛想な顔つきを仏頂面というようになったといわれています。ほかに、嫌そうな顔つきという意味の「不承面(ふしょうづら)」から転じたとする説などもあります。