国会審議が紛糾して岸田首相が一か八かの解散・総選挙に打って出ることも考えられる。旧統一教会問題や経済政策が争点となる。自民党が勝利すれば岸田政権は存続するが、敗れれば政界は大混乱だ。総選挙になれば、旧統一教会と関係が深かった多くの安倍派議員の苦戦が予想されるから、安倍派は解散に反対するだろう。野党との連立と同様、ここでも岸田首相の「安倍派離れ」の本気度が試される。岸田首相が大胆な局面転換に踏み切れず、内閣支持率は低下し続け、新たな政策も進まないとなれば、退陣という選択しかなくなる。広島サミットを「花道」として、後継首相選びが進む。いずれのケースでも、日本政治の「長い混沌(こんとん)」が幕を開けることになる。(政治ジャーナリスト・星浩)
※AERA 2022年11月7日号より抜粋