そこで、岸田総理に提案だ。赤木雅子さんと直接会談してはどうか。雅子さんの声を直接聞けば、誰でも心を動かされる。そこで、自分の心のままに、「雅子さんの気持ちを受け止め、第三者委員会を設けて森友学園問題の真相を明らかにしたい」と表明する。国民の8割近くが再調査を求めている(共同通信世論調査)のだから、雅子さんだけではなく、国民の声を「聞く力」があるとアピールできる。
参議院選挙の前にこの方針を打ち出せば、岸田氏への支持が高まり、自民党にも有利だ。一方の安倍氏は非常に動きにくくなる。
唯一気になるのは、本件で脛に傷を持つ麻生太郎副総裁の反発。今は岸田氏との連携を強める麻生氏が再び安倍氏につけば、岸田氏には痛手だ。しかし、麻生氏は最早過去の人。負のイメージしかない。麻生氏を岸田氏が切れば、岸田氏への国民の支持はさらに高まる。
私たちは、決して諦めない。新年にリセットなんてこともあり得ない。22年こそ、森友学園問題の真相解明ができるように、そして岸田総理が聞く力を発揮できるように、初詣で祈願することにしよう。
■古賀茂明(こが・しげあき)/古賀茂明政策ラボ代表、「改革はするが戦争はしない」フォーラム4提唱者。1955年、長崎県生まれ。東大法学部卒。元経済産業省の改革派官僚。産業再生機構執行役員、内閣審議官などを経て2011年退官。近著は『官邸の暴走』(角川新書)など
※週刊朝日 2022年1月7-14合併号より