■炒飯(チャーハン)
音読みではなく現代中国語からの外来語
「炒」の音読みは「そう」や「しょう」なので、「炒飯」を音読みしても「チャーハン」にはなりません。「チャーハン」は、「炒飯」の現代中国語での読みの「チャオファン」が変化した言葉で、外来語という位置づけです。「ギョーザ」も同様ですが、「餃子」の一般的な中国語読みの「ジャオズ」とは大きく異なります。これは、「ギョーザ」が中国の山東省あたりの方言が元になっているためだといわれています。
■倫敦(ろんどん)
正式な漢字表記は決まっていない
「ロンドン」の漢字表記は、「倫敦」以外にも「竜動」や「倫動」、「論頓」「蘭敦」「英京」などが用いられました。その中で定着したのが「倫敦」だったのです。パリも、「巴里」が一般的ですが、「巴黎」「巴利」「巴里斯」「波礼斯」なども用いられたといいます。
■武蔵(むさし)
「蔵」を「さし」と読むのはなぜか
東京都、埼玉県、神奈川県の一部を、かつて武蔵国といいましたが、古くは牟佐志などの字が用いられていました。8世紀に朝廷から、地名は縁起のいい漢字二文字で表すことが求められ、強そうなイメージの「武」と、「ざう」や「さう」と読まれ、いいものが収められていることを連想させる「蔵」を当て、半ば強引に「むさし」と読ませることになったのだといいます。大阪南部の「和泉」は、「泉」の一文字で「いずみ」と読めましたが、二文字にするために「和」が加えられたといわれています。
監修/久保裕之(立命館大学白川静記念東洋文字文化研究所)
文/美和企画
※『みんなの漢字』2019年3月号から