警察に自分の指紋を取られるのは、市町村の役所で書類にハンコを押すのとは全く異なる。不要だと言いながら、指紋を採取するとなると、いったい何に使うのかという不安に襲われても当然だ。違反で捕まった時、警察官の機嫌を損ねたらいろいろと面倒なことになるのではと考えるのが普通だろう。
そんな市民の気持ちを考えれば、この慣行は廃止すべきだ。河野氏には、もう一歩踏み込んで、警察庁は押印指印を求める行為を禁止する通達を出すべきだとツイートして欲しかった。
ちなみに、運転免許証のマイナンバーカードへの一体化のスケジュールが前倒しになるという報道があったが、警察庁に問い合わせたところ、河野大臣から前倒しの要請があったが、前倒しするとは全く決めていないという非常に冷たい回答だった。
警察庁は免許証のマイナンバーカードへの一体化自体に強く抵抗していた。免許証の発行・更新などの手続きで天下り組織を養っていることとの関係もあるのだろうが、こうしたところにもDX推進でメスが入ることが期待される。
DXとは単なるIT化だけではなく、社会のおかしな仕組みを正すことでもある。相手が警察であっても、その例外にしてはならない。
※週刊朝日 2022年11月11日号