物がなくなり、家族で食卓を囲めるようになりました/アフター
物がなくなり、家族で食卓を囲めるようになりました/アフター

「これは聞くべき!と思って申し込んだけれど、自分にできるかはわかりませんでした」

 休日でも予定を詰め込むタイプで、土日もスケジュールがパンパン。平日は仕事と家事に手一杯で、冷静に考えると片づけに費やす時間はない。でも、彼女はあきらめませんでした。

「まず、目標をリビングに絞りました。家全体が散らかっていましたが、家族のために落ち着いて過ごせる空間を作りたくて。私は朝型の人間なので、プロジェクト参加者みんなで朝6時から10分間オンラインで片づけるという“朝活”がとても合っていました」

 忙しい生活の中、朝の時間をうまく使って片づけられるようになりました。彼女の頭の中にいつもあったのは、プロジェクト中に聞いて胸に響いた「自分との約束を守る」という言葉。

「私は何でも先延ばしにしてしまう癖がありました。でも、できていないことが自己肯定感を下げて、家族や周囲の人に当たり散らしていた気がします。自分を認めてあげるためには、自分との約束を守って納得できるまでやらないと、と思えるようになりました」

 家の中を見回すと、夫婦の趣味の物がたくさん保管されています。2人ともコレクションすることが好きで、気に入って買った物ばかりです。でも目の前にあるのは、飾られることもなく、使うこともなく、箱から出されてもいないグッズたち。ただ家の空間を占領して、圧迫感を与えているだけでした。

「買って満足していただけだと気づいたら、このグッズのせいで家の状態が悪くなっていることの方がいやだと感じるようになりました。夫の分は夫にまかせていますが、自分の分はかなり手放しましたね」

 ここから彼女の価値観は変わります。「物を買う」よりも、その後の「物の管理」や「手放すまでの工程」が面倒だと思うように。プロジェクトによって家の収納スペースが把握できたので、これ以上増やせられないとわかったら気軽に物を買うこともなくなりました。買う前に「いつ使う?」「いつ見る?」と自問してやめることもしょっちゅうです。

次のページ
家事をやらなかった夫が