写真:gettyimages
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「治療で症状がコントロールできていれば、脱毛は可能です。患者さんの中には、髭の脱毛で、湿疹や赤みが思っていたよりひどく出た方もいました。医師から見ると脱毛治療で想定内の反応であっても、患者さんはびっくりしてしまう。事前にどんな反応が出るのかを確認し、皮膚の疾患があるなら主治医に相談すると安心だと思います」(小西院長)

 体毛を気にするのは大人に限った話ではない。全国24院展開の医療脱毛専門院「リゼクリニック」の昨夏の調査では、小中学生女子の8割以上が処理経験済みだった。医療脱毛希望の中学生以下の患者数はこの5年間上昇しており、その数を2020年4月~21年3月と5年前を比較すると8.3倍増。

「当院では施術は14歳以上としていますが、脱毛業界全体を見ても、希望者の低年齢化が進んでいる」(リゼクリニック新宿三丁目院・大地まさ代院長)

■悩みを受け止めて

 遺伝的要因から小学校低学年の頃には毛深くなる子どももいる。その特徴が、からかいやいじめの原因になるケースもある。子どもが「脱毛したい」と言ってきたら、親としてどうすべきだろうか。

「まずは体毛に対する悩みを受け止め、子どもに寄り添った対策を考えてほしい。剃刀などの自己処理はまたすぐ生えてくるので処理の回数が多く、皮膚トラブルを招きやすい。親が安全で適切な処理法を理解し、直接あるいは子どもに教えて体毛処理をする。脱毛も選択肢の一つです」(大地院長)

 ただし、脱毛は子どもがはっきり意思表示した場合のみの選択肢にすべきだという。脱毛には痛みが伴い、火傷や赤み、毛嚢炎のリスクがある。施術前後は紫外線対策、施術後は肌を清潔に保つことが不可欠だ。授業や試験、学校行事がある中で、施術に耐えられ、注意事項を守ることができるか。親のサポートも必須になる。

「『自分が体毛で悩んでいたから』と、親の意向で子の脱毛を選択した話を聞くことがあります。子どもの意思が定まらない中での脱毛は、心身の負担になる懸念があり、決してお勧めできません」(同)

■介護脱毛は自分のため

 子どもの毛は発育段階にあり、脱毛回数が多くなったり、脱毛完了後また生えてくることがある。思春期はホルモン分泌の活発化で体毛が濃くなるが、思春期を過ぎホルモンバランスが落ち着くと自然と薄くなることもある。念頭に置いておきたい。

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