自衛隊駐屯地で使われる
40年前のマットレス

自衛隊官舎の実態はすでにお伝えした通りだが、では自衛隊駐屯地・基地内の隊舎はどうなのか。自衛隊員しか入れない場所なのでなかなか内情は伝わってこないが、さすがに整備されているだろうと考える人もいるかもしれない。

(写真=ダイヤモンド・オンラインより)
(写真=ダイヤモンド・オンラインより)

 上の写真はある駐屯地で実際に使われている「現役」マットレスだそうだ。納入から40年経過したマットレスがまだ使われている。とてもこの上で眠ることなど考えられないような汚れ方だ。

 自衛隊では戦闘機や護衛艦、潜水艦、戦車といった正面装備品にお金をつかうため、こういった自衛隊員の居住環境への予算は極端に抑えられる。だが、劣悪な環境での生活を強いれば自衛隊員は集まらず、中途退職者は止まらないはずだ。

2022年7月16日、防衛省が全国に所有する庁舎や倉庫、管制塔などの自衛隊施設2万3254棟のうち4割余りにのぼる9875棟が旧耐震基準で建てられた施設だと発表した。その8割余りが耐用年数を過ぎているが、予算が不足し耐震化加工が進んでいない。地震で倒壊する恐れがある建物に国が無責任にも自衛隊員を居住させているのだ。

 このような官舎や隊舎に住まなければならないことは募集に悪影響だ。自衛隊員を冷遇する居住環境を変えなければ、自衛隊員不足はさらに厳しくなるだろう。

(国防ジャーナリスト/自衛官守る会代表 小笠原理恵)

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